カーネーション

植物について:
カーネーション、または「Dianthus(ナデシコ属)」は、300種の植物を含むナデシコ科に属します。大きさや色はさまざまで、高さは30cmから1mほど。白、青、赤、黄色、紫、ピンクなどの花を咲かせます。
9月から6月に植えられ、4月から9月に開花します。品種によって、年に一度または二度花を咲かせます。
歴史:
ラテン語名のDianthusは、神を意味するギリシャ語のdiosと、花を意味するanthosに由来します。つまり「神々の花」です!ギリシャ神話によると、狩猟の女神ディアナは怒りにまかせて羊飼いの目をくり抜き、地面に投げつけました。その目玉からカーネーションが芽吹いたといいます。フランス語では、カーネーションを意味する「œillet」は、目を意味する「œil」に由来すると説明する語呂合わせがあります。
古代には、競技会の勝者に贈る冠を作るためにカーネーションが使われていました。英語の「carnation」は、冠を意味するイタリア語の「corona」に由来します。
カーネーションは芸術の世界でも重要な役割を果たしてきました。中世の伝説では、赤いカーネーションはキリストの血から生まれたとされています。この花は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「カーネーションの聖母」やラファエロの「ひげのない聖ヨセフと聖母」など、多くの絵画に登場します。
迷信の対象とされてきたカーネーションは、演劇の世界では歓迎されません。たとえば19世紀には、契約を更新しない女優にカーネーションを贈るのが慣例でした(新たに契約した女優に贈るバラよりも安価だったためです)。
カーネーションには、政治に深く根ざした歴史もあります。1890年5月1日、フランスのメーデーに、労働者階級は第二インターナショナルへの支持を示すため、赤いカーネーションを身につけるようになりました。一方、王党派や保守派は、愛と誠実を象徴する白いカーネーションを身につけるようになりました。1920年、白いカーネーションはアメリカで母の日のシンボルとなりました。1974年4月、サラザール独裁政権が崩壊した際、ポルトガルでは政権に対する反乱者たちが赤いカーネーションを身につけたことから、「カーネーション革命」と呼ばれる革命が起こりました。
香水におけるカーネーション:
カーネーションのエッセンスが香水に使われることは、あまりありません。その香りは、調香師それぞれが好みに合わせて再現します。
カーネーションの香りの基調をなすのはオイゲノール、あるいは現行法で香水へのオイゲノールの使用が制限されていることを踏まえれば、それに似た香料です。そこにほかの香料を加え、望みの香りに仕上げます。調香師は、より青々しく、刺激的で、温かみのあるカーネーションの香りを生み出すことができます。仕上げに、香りの構成をなじませるためバニラを一滴加えたり、パウダリーな印象を添えるためアイリスを一滴加えたりするのが一般的です。
香水の世界でカーネーションが最盛期を迎えたのは、20世紀初頭の戦争が始まった頃でした。市場にはカーネーションの香りを基調とする香水があふれていました。1950年代に優雅な再登場を果たしたものの、やがて影を潜めていきます。2000年代初頭以降、カーネーションは時折再び登場していますが、ウードやローズの香りが根強い人気を誇る現代の香水業界では、依然としてあまり注目されていません。

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